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金属アレルギーやMRIは大丈夫?インプラントの材料チタンの特性

女性とインプラント

人工歯根として埋め込むインプラントの材料には、チタンという金属が使われています。チタンは軽量かつ高強度、腐食しにくい、加工しやすいなど多数の特性がありますが、インプラント治療に用いられているのは、チタンだからこその重要な作用に理由があります。

インプラントの歴史~ブローネマルク博士の発見~

プローネマルク博士

顎の骨に人工歯根を埋め込む治療法そのものは、紀元2世紀頃の古代ローマ時代から実施されていたことが分かっています。ですが、これらは長期使用に耐えうるものではなく、現代のインプラントとは大きな差があります。
現代のようなインプラント治療が普及したのは、スウェーデンのブローネマルク博士による「オッセオインテグレーション(骨結合)」の発見によるところが大きいでしょう。

チタンが骨と結合する「オッセオインテグレーション」

1952年、ブローネマルク博士は、チタン製の器具がウサギのすねの骨とくっついて離れなかったことから骨とインプラントが強固に結合する現象を発見し、「オッセオインテグレーション(osseointegration)」と名付けました。
オッセオ(osseo)はラテン語で「骨の」という意味で、英語で「結合」を表す(integration)を組み合わせた造語です。

この骨と結合するチタンの特性こそ、現代のデンタルインプラントの機能性・耐久性の高さの礎となっています。

1983年、日本で初めてチタン製インプラントが使用されました

ブローネマルク博士のオッセオインテグレーション発見後、研究は進み、日本では1983年に初めてチタン製のインプラントを使用した治療が行われています。
その後、1990年代になると、チタン製のインプラントを使用する歯科医院が急激に増加していきます。

チタン製のインプラント

チタンは金属アレルギーのリスクも低い素材です

チタンは、骨と強固に結合する性質だけでなく、生体親和性が高く、金属アレルギーがおこりにくいという特長があります。チタンアレルギーについて 1500 名の患者を調べた Sicilia らの報告では、インプラント埋入患者のチタンアレルギー率は 0.6% でした。

また、金属には多様な種類あり、金や銀にアレルギー反応を示す方でも、チタンには反応を示さないケースは珍しくありません。金属アレルギーがあるからといって、インプラント治療を諦める必要はないのです。

インプラントでもMRI検査はできます

MRI検査

MRI検査を受ける際には、身に着けている金属類はすべて外す必要があります。それゆえ、「インプラント治療を受けたら、MRI検査はできない」という噂があるようですが、これは誤解です。ほとんどの場合、インプラント治療後もMRI検査は実施可能です。

MRI検査で金属がNGとされるのは、磁力を発生させる金属が画像の歪みや発熱の原因になるからです。ですが、インプラントの材料であるチタンやチタン合金は、非磁性であり、ほとんど影響はありません。
ただし、インプラントと入れ歯を組み合わせるインプラントオーバーデンチャーで磁石を使用している方は、磁石部分を取り外す必要がありますので、MRI検査の前に歯科医院へご相談ください。