インプラントのネジが見えるのは大丈夫?
インプラント治療後、時間が経つにつれて「ネジのような金属が見えてきた…」「歯ぐきが下がってインプラントの縁が透けてきた」と不安に感じる方は少なくありません。インプラントはしっかり骨と結合すれば長く使える治療ですが、歯ぐきや骨の状態が変化すると上部構造(かぶせ物)やインプラントの一部が見えてくることがあります。
今回は、インプラントのネジが見える原因や放置のリスク・治療法をわかりやすく解説します。
インプラントのネジが見えるのは
どんな状態?
どんな状態?
インプラント治療では、一般的に以下の3つのパーツが使われます。
- フィクスチャー(人工歯根)
- アバットメント(支台)
- 上部構造(かぶせ物)
インプラントのネジが見えるというのは、以下のようなケースが考えられます。
▶ アバットメント部分の金属が歯ぐきから露出している
▶ かぶせ物の一部が欠けて内部のネジが見える
通常、これらの金属部分が見えることはありません。そのため、見えてきた場合は歯ぐきや被せ物にトラブルが起きているサインです。
インプラントのネジが見える主な
原因
インプラント治療後に金属のネジが見えてくるのは、周囲の歯ぐきや骨、またはかぶせ物にトラブルが生じたことが主な原因です。下記で代表的な原因をご紹介します。
歯ぐきが下がった
加齢、ブラッシング圧、噛み締めなどによって、天然歯と同様にインプラント周囲の歯ぐきも下がることがあります。歯ぐきが薄い前歯は特に後退しやすく、アバットメントの金属が露出して見えやすくなります。
骨が痩せた
インプラント周囲の骨が減ると歯ぐきも下がり、インプラントのネジが見えることがあります。骨吸収は、インプラント周囲炎、歯ぎしり・食いしばり、強い噛み合わせなどで進行することがあります。
上部構造
(かぶせ物)の破損
かぶせ物が欠けたり割れたりすると内部の金属が露出することがあります。過度な力や経年劣化により破損することがあり、「急にネジが見えてきた」というケースの多くはこれが原因です。
ネジが見える状態を放置すると
どうなる?
インプラントのネジが見える状態は、見た目だけでなく口腔内の健康や治療の進行にも影響します。早めの対処が大切です。
インプラント周囲炎(歯周病)の
リスク増加
露出したネジや段差部分には汚れが溜まりやすく、細菌が繁殖する環境になります。その結果、歯ぐきの腫れや骨の吸収、インプラントの動揺などが進行する可能性があります。
かぶせ物の破損が拡大
一部が欠けたまま放置すると、亀裂が広がりかぶせ物全体の破損につながることがあります。早めに処置することで、さらなる破損を防ぐことができます。
インプラントの脱落
骨吸収や周囲炎が進行すると、最終的にインプラントが脱落することがあります。早期対応でリスクを抑え、治療を安全に進めることが重要です。
インプラントのネジが見えるのを
防ぐために
インプラントのネジが露出すると、見た目の問題だけでなく、歯ぐきや骨への負担や周囲炎のリスクも高まります。日常的なケアや生活習慣の見直しで、ネジの露出を予防することが可能です。
定期メンテナンス
インプラントは天然歯と同じく、定期的な歯科医院でのチェックとクリーニングが重要です。歯ぐきや骨の状態を確認することで、トラブルの早期発見・予防につながります。
マウスピースの装着
必要に応じてマウスピースを使用することで、噛み締めや歯ぎしりによるインプラントへの過剰な負担を軽減できます。就寝時や強く噛む習慣のある方に特に効果的です。
口腔環境の維持
インプラント周囲炎は脱落につながることもある注意すべき病気です。歯磨きやフロス、マウスウォッシュでプラークを取り除き、清潔な口腔環境を保ちましょう。
違和感を感じたらすぐに歯医者へ
ネジが見える状態は早めの受診が
大切です
インプラントのネジが見えるのは、問題があるサインです。放置するとインプラント周囲炎の進行や見た目の悪化、場合によってはインプラントの脱落につながる可能性があるため、早めの診察が重要です。 アップル歯科医院(明石・三宮・加古川・尼崎・梅田・難波・枚方・伊丹・六本松・京都)では、インプラントの状態を精密に検査し、原因に応じた最適な治療をご提案いたします。