入れ歯よりインプラントが
選択される理由は?入れ歯の良いところ・
悪いところ
かつては、多くの歯を失いブリッジで適用できなくなると、入れ歯しか選択肢はありませんでした。しかし、近年はインプラントによる治療も可能になり、インプラントを選択する方が多くなっています。入れ歯入れ歯では「噛めない」「痛い」といった悪い印象をお持ちの方が多いですが、メリットがあります。入れ歯のメリット・デメリットを把握し、納得の治療選択を行うことが大切です。
入れ歯の良いところ
インプラントと異なり、手術が必要ないため治療期間が短く済み、
保険が適用となるため安価です。
近年は、持病をお持ちの方もインプラント治療を受けられますが、
全身状態の影響も受けません。
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外して洗える
入れ歯は取り外しが可能なので、そのまま洗浄でき、お手入れがしやすいです。
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治療期間が短い
インプラント治療に比べて、治療にかかる期間が短く、通常1~2ヵ月で完了できます。
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健康な歯を
削る必要がないブリッジ治療のように、健康な歯を削ることなく歯を補うことが可能です。
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ほとんどのケースで
対応可能欠損が大きいケースでも対応でき、手術が不要なので、持病や骨の状態等の影響も受けません。
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保険が適用となる
使用できる素材等に限りがありますが、保険が適用となるため、費用を抑えて治療を受けられます。
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どこの歯医者でも
治療ができるインプラントは、専用の施設や術者の技術等が必要ですが、入れ歯はどこの歯科でも治療できます。
入れ歯の悪いところ
入れ歯には、次に紹介するデメリットのほか、
味覚や発音への影響、違和感などのデメリットが懸念されます。
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会話中などに外れる
大きく口を開けた時や会話中などに、外れてしまう場合があります。
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擦れて痛い
入れ歯が擦れて痛みが生じる場合があります。噛むと痛いというケースも多いです。
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固い物が噛めない
保険の入れ歯は咀嚼能力が低く、健康な歯の10~20%に低下する場合があります。
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入れ歯を固定する
バネが目立つ保険の部分入れ歯の場合、金属のバネが目立つため、見た目が良くありません。
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骨・歯茎がやせる
顎の骨に咀嚼の刺激が伝わらないため、骨の吸収が進んでしまいます。
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定期的な調整が必要
定期的な調整が必要であり、使っている間に合わなくなると、作り直しが必要になります。
自費の入れ歯という選択肢
保険は適用になりませんが、入れ歯に使用する素材を変えることで軽減できるデメリットもあります。
保険の入れ歯の場合、レジンというプラスチックを使用するため、
分厚くなり、臭いや汚れが付着しやすいです。自費の入れ歯には多くの種類があるため、
担当医に相談すると良いでしょう。
保険の入れ歯
保険の部分入れ歯
金属のバネが目立つだけでなく、バネをかける歯に負担をかけてさらなる歯の喪失を招く可能性があります。
保険の総入れ歯
分厚くなりやすく、違和感が生じやすいです。また、食べ物の温度が伝わりにくいため、味覚に影響します。
自費の入れ歯
ノンクラスプ デンチャー
金属のバネを使用しないため、入れ歯だと気づかれにくく、保険の部分入れ歯に比べて装着感が良いです。
金属床義歯
金属は強度が高いため、入れ歯を薄くでき、食べ物の温度も伝わりやすく、味覚への影響を軽減できます。
噛めないことの影響
精密な入れ歯でないと、入れ歯は咀嚼能力が大きく低下します。これによって固い物が噛めなくなると、食べられるものが限られてくるため、栄養バランスにも影響します。
「噛む」ということは、単に食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、脳の血流や満腹感の得やすさ等にも影響するため、噛めない状態が続くことは、さまざまな悪影響が懸念されます。咀嚼能力の低下によって認知症のリスクが高まることもわかっています。
噛めることは、健康だけでなく、QOLにも大きく影響するため、治療法のデメリットを把握したうえで、噛める歯を手に入れていただきたいと思います。