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 インプラントコラム
知っていただきたいインプラントの話

All-on-4の実際

All-on-4って本当にしっかり噛めるの?

4〜6本のインプラントにガム(歯肉部)付きの全ての歯を並べるAll-on-4(オールオンフォー)。ネットの記事や広告を見ていると「手術の当日に歯が入る」「経済的・費用が抑えられる」「手術の負担が少ない」「虫歯にならない」など、噛める歯がなくて困っている人にとっては、夢のような言葉が目に飛び込んできます。

では、果たしてAll-on-4は、本当に素晴らしい治療なのでしょうか。ここではAll-on-4の実のところをお話したいと思います。

手術の当日に歯が入るって本当?

これは本当です。ただし、あくまで仮歯です。また、状態によっては仮歯を固定することができない方も稀にですがおられます。その場合は義歯(入れ歯)を作って、インプラントが骨と結合するまでお待ち頂きます。

また、仮歯が入ったからといって、当日から何でも食べれるようになるわけではありません。数日は流動食・離乳食のような柔らかいものから摂取して頂くことになります。また、手術の翌日は多少腫れることもあります。


上記写真(当日入った仮歯)治療の内容

治療の内容…上下All-on-4治療
治療回数/期間…5ヶ月・8回(カウンセリング・検査・歯周病治療含む)
費用…税込 4,400,000円
リスク・服用…・インプラント手術後、まれに唇、舌、頬、歯肉そして歯牙の感覚マヒが一時的に発生する場合もあります。また、近接歯牙、顎、上顎洞、鼻腔に対する炎症、疼痛、過敏症、組織治癒の遅延及び顔面部の内出血(紫斑や黄斑など)が避けられない方もまれにおられます。
・術後、3~4日目になると腫れ止めが切れるため傷口が腫れてきますが、殆どの場合、1週間程度で傷口は治ります。
・術中に、歯牙や骨の状態により手術内容が予定より変更することも起こりえます。
・術中に、予定していた骨の量が足りない場合には、追加の骨造成が必要になることがあります。(治療代5万円)
・喫煙、飲酒は正常な治療の妨げとなります。術後1週間は控えてください。
・処方された薬剤の服用により吐き気、めまい、眠気、咳、お腹が緩くなるなど一時的な副作用が現れることがあります。
・インプラントの耐久性は、天然歯同様、口腔衛生状態(喫煙の有無、喫煙者の協力度、咬合力、咬み合わせ、骨量、歯肉量、歯磨き、メンテナンス)により変化します。
・成長過程にある方、免疫不全や1型糖尿病の方、放射線治療を受けられている方、ホルモン治療を受けられている方は治療出来ない場合があります。
・食いしばり・歯ぎしりが強い場合、上部構造が破損する恐れがあります。
・血圧が高い場合、手術ができないことがあります。
・骨量が少ない場合はAll-on-4治療の手術自体ができない場合があります。

とは言え、手術後すぐから見た目は改善されますし、傷が癒え、最終の歯が入れば、硬いものでも咀嚼ができるようにもなりますので、しばらく少しの辛抱は必要ではあります。

経済的・費用が抑えられるって本当?

確かに、全ての歯をインプラントにすることを考えれば費用は抑えられます。しかし、実際「フルマウス治療(全顎的な治療)」と言っても、片顎14本分のインプラントを埋入することはありません。そもそも、全顎的に治療が必要な場合、片顎14本ではなく片顎12本で咬み合わせを作ることが一般的です。

そして、骨の厚み的にインプラントが不可能な部位があったり、連冠(繋がった歯)にした方が強度が保てる場合があるなどの理由から、インプラントどうしを使ったブリッジなどを併用した治療となります。その場合、実際に埋入するインプラントは上顎で9本、下顎は6本のインプラント同士をブリッジ(架工義歯)でつなぐことにより、全ての咬み合わせを作ります。

その場合の費用はおおよそ700〜750万円、All-on-4の場合は標準的な費用が上顎319万円+下顎275万円となりますので、「フルマウスと比べると経済的」と言えるでしょう。

とはいえ、自動車が一台買える程度の費用ではありますので、ご自身にとってお口の健康、食べることや見られることがどれだけ重要かによって、All-on-4の価値は変わってくるかと思います。

手術の負担が少ないって本当?

All-on-4は外科処置を伴う治療で、いわゆる「手術」を行う必要があります。手術と言っても、入院の必要はありませんし、全身麻酔を使うものではありません。痛みの消失は普段の虫歯治療のときの局所麻酔を使います。これを聞くと「そんなので痛みを抑えられるの?」と驚かれる方もおられますが、痛みはきちんと抑えられます。しかし、長時間の治療、骨を削る音、治療中ずっと開口しなければならないという煩わしさはなかなか耐え難いと思います。

そこで重要なのが「静脈内鎮静麻酔」です。これは半分眠ったかのような、ボーッとした状態にする麻酔です。しかし、意識は歯科医師とのコミュニケーションが取れる程度にコントロールすることで、「口を開けて」「閉じて」などの指示に従うこともできます。

さらに、この静脈内鎮静麻酔には、「健忘効果」という手術時の記憶が曖昧になる作用が働くため、治療が終わった後、手術中の記憶がほとんどないという方がほとんどです。また、当日帰宅できるほど侵襲も少なく、翌日にはいつもどおり動けます。(念の為お仕事は休まれたほうが良いかと思います)

さらに、この静脈内鎮静麻酔には、「健忘効果」という手術時の記憶が曖昧になる作用が働くため、治療が終わった後、手術中の記憶がほとんどないという方がほとんどです。また、当日帰宅できるほど侵襲も少なく、翌日にはいつもどおり動けます。(念の為お仕事は休まれたほうが良いかと思います)

ですから、体(内蔵や脳・骨や腱)などの手術に比べれば、負担は少ないと言えます。しかし、やはり腫れたり痛みが残ることもありますので「全く痛みやダメージがない」というわけではありません。

虫歯にならないって本当?

All-on-4は全ての歯を失った・もしくは保つことのできない方向けの治療です。そのため治療時には全ての歯が無いか、あってもグラグラで抜歯することになります。つまり歯が残っていないため、虫歯にはなりようがありません。

だからといって、セルフケアが必要ないわけではありません。匂いがするとか、汚れがたまるのは当然ですが、実はインプラントも「歯周病」に罹ります。正しくは「インプラント周囲炎」と言って、歯周病のような症状の病気です。インプラント周囲炎に罹ると、インプラントの周りの骨が溶け始め、インプラントが脱落してしまいます。つまり、せっかくのAll-on-4も、支える土台がなくなることで、使えなくなってしまうこともあります。しかしながら、All-on-4のインプラント埋入部分は、ご自身では取り外してケアすることができません。そのため、年に3〜4回程度歯科医院にてメインテナンスが必要となります。
つまり、虫歯にはなりませんが、歯磨きも歯科健診(メインテナンス)も必要ということです。

なぜAll-on-4が選ばれているの?

All-on-4を選ばれた方にとって「これが決め手になった」という要因は様々です。ただ、一つだけ共通しているのは、現状「お困りになれてる」ということです。「入れ歯が合わない」「食べ物が食べづらい」「歯や歯茎が痛い」「匂いや見た目が気になる」、理由は人それぞれですが、これらを解決したいという思いから、いくつかの選択肢の中からAll-on-4を選ばれます。

もちろん、他の治療法もあります。ほとんどの歯、多くの歯を失ってお困りでしたら、自分にはどんな治療が良いのか、一緒に相談して決めましょう。

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