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歯ぎしりが原因で
インプラントが失敗するかも!?
歯ぎしりや食いしばりなどの、お口の癖を「ブラキシズム」と呼びます。天然歯はもちろん、インプラントにも大きな負荷がかかるため、義歯が破損したり、最悪の場合では脱落することがあります。
ブラキシズムがあってもインプラント治療は受けられますが、重度の場合はインプラント治療が失敗するリスクもあります。
簡単!歯ぎしりセルフチェック表
歯ぎしりを始めとするブラキシズムは寝てる間や無意識に行われることが多いため、自分では気づいていない方がほとんどです。まずは、自分が歯ぎしり癖があるかどうかを知ることから始めましょう。
8つのチェック項目のうち1つでも当てはまったなら、歯科医師に相談することをお勧めします。
心当たりはありませんか?
歯ぎしりなどを家族や友人から指摘されたことがある
朝起きたときに、顎がだるい
肩こりや頭痛がある
頬の内側や舌の周辺に歯の跡が付いている
歯がすり減っている
詰め物・被せ物が欠けたり、外れたりする
上顎や舌の下の歯ぐきが硬く隆起している
虫歯はないのに歯がしみたり、痛みがある
ブラキシズムの種類

ブラキシズムには大きく分けて3種類あり、いずれも歯やインプラント、顎関節などに悪影響を与えます。歯ぎしりやタッピングはギリギリ、カチカチ音が鳴るので周囲も気付きやすいですが、食いしばりは音がしないため発見が遅れてしまうことがあります。

ブラキシズム3つ
歯ぎしり

上下の歯をすり合わせる状態、つまり歯ぎしり(グラインディング)です。義歯がすり減ってしまいます。

食いしばり

強く噛みしめる状態で、クレンチングとも呼ばれます。強い力がかかるので、義歯が割れるリスクが高まります。

タッピング

小刻みに噛んで歯を鳴らします。持続的に刺激を与えるので、歯だけでなく歯茎や骨にも影響があります。

ブラキシズムによる
インプラントへの悪影響
インプラント治療は、天然歯のような見た目・機能性を取り戻す治療ですが、やはり天然歯とは異なります。
天然の歯には歯根と顎骨の間に歯根膜と呼ばれる組織があり、クッションのように歯ぎしりなどの強い力を分散させることができます。しかしインプラントには歯根膜のようなものはないため、強い力がそのまま骨に伝わってしまうことになり、治療自体が失敗するリスクが高まってしまうのです。
悪影響

インプラント周囲炎

歯ぎしりが直接インプラント周囲炎の原因になることはありません。しかし、インプラントや歯槽骨に強い力が加わることで、骨吸収が発生したり、ダメージを受けた歯肉が炎症を起こしたりしてしまいます。その炎症からインプラント歯周炎が発症してしまうことがあります。

悪影響

インプラントの脱落

歯ぎしりによってインプラントが揺らされてしまうと、歯槽骨との結合が緩んでグラグラし始め、その状態が続くと脱落してしまいます。特に、手術後は骨とインプラントの結合が不安定なため、きちんと対策をしていないとインプラントが脱落するリスクが高まります。

悪影響

上部構造の擦り減り

人間がグッと噛みしめた時の噛む力は70kgほどと言われており、歯ぎしりや食いしばりによってインプラントの人工歯(上部構造)にはそれだけの大きな力が長時間かかっていることになります。耐久性の高いセラミックですが、毎日の大きな負荷で擦り減ったり、割れてしまったりすることがあります。

悪影響

アバットメントの緩み

インプラントは、人工歯、人工歯根、それらふたつをつなぐアバットメントの3つの部品から成り立ちます。アバットメントは、ネジのように締めて人工歯と人工歯根をつないでいますが、歯ぎしりによって揺らされることでアバットメントが緩み、人工歯が外れてしまうことがあります。

ブラキシズムからインプラントを守る方法

ブラキシズムのある方でも、きちんと対策をしていればインプラント治療を受けることは可能です。これらの対応を行うことで、インプラントだけでなくご自身の歯や顎関節を守ることにも繋がります。

ナイトガードを使う
ナイトガードとは、眠っている間に装着していただくマウスピースのことです。ブラキシズムでインプラントへかかる負担を減らし、また歯ぎしりで起こる歯の擦り減りも防ぎます。
ナイトガードがクッションの役割を果たすため、インプラントや歯だけでなく、顎関節への負荷も軽減します。
歯並び・噛み合わせの治療
歯並びや噛み合わせにより、インプラントなどに負担がかかりやすい場合があります。あっていない詰め物・被せ物の調整や、矯正治療によりブラキシズムの解消を図ります。
ナイトガードは対症療法ですが、矯正治療・咬合治療は根本的な原因にアプローチするので、治療効果を実感しやすいでしょう。
インプラントを長く使い続けるために
歯ぎしり・食いしばり・タッピングといった癖を持っていても、きちんと対策をしていればインプラントを長く使い続けることができます。自分では気づきにくいブラキシズムも、定期的なメンテナンスを受けることで歯科医師が気付けるケースもあります。
インプラントを長く使い続け、残っているご自身の歯を守るためにも、定期検診に通う習慣をつけるようにしましょう。