インプラントが失敗するかも!?
ブラキシズムには大きく分けて3種類あり、いずれも歯やインプラント、顎関節などに悪影響を与えます。歯ぎしりやタッピングはギリギリ、カチカチ音が鳴るので周囲も気付きやすいですが、食いしばりは音がしないため発見が遅れてしまうことがあります。
上下の歯をすり合わせる状態、つまり歯ぎしり(グラインディング)です。義歯がすり減ってしまいます。
強く噛みしめる状態で、クレンチングとも呼ばれます。強い力がかかるので、義歯が割れるリスクが高まります。
小刻みに噛んで歯を鳴らします。持続的に刺激を与えるので、歯だけでなく歯茎や骨にも影響があります。
インプラントへの悪影響
インプラント周囲炎
歯ぎしりが直接インプラント周囲炎の原因になることはありません。しかし、インプラントや歯槽骨に強い力が加わることで、骨吸収が発生したり、ダメージを受けた歯肉が炎症を起こしたりしてしまいます。その炎症からインプラント歯周炎が発症してしまうことがあります。
インプラントの脱落
歯ぎしりによってインプラントが揺らされてしまうと、歯槽骨との結合が緩んでグラグラし始め、その状態が続くと脱落してしまいます。特に、手術後は骨とインプラントの結合が不安定なため、きちんと対策をしていないとインプラントが脱落するリスクが高まります。
上部構造の擦り減り
人間がグッと噛みしめた時の噛む力は70kgほどと言われており、歯ぎしりや食いしばりによってインプラントの人工歯(上部構造)にはそれだけの大きな力が長時間かかっていることになります。耐久性の高いセラミックですが、毎日の大きな負荷で擦り減ったり、割れてしまったりすることがあります。
アバットメントの緩み
インプラントは、人工歯、人工歯根、それらふたつをつなぐアバットメントの3つの部品から成り立ちます。アバットメントは、ネジのように締めて人工歯と人工歯根をつないでいますが、歯ぎしりによって揺らされることでアバットメントが緩み、人工歯が外れてしまうことがあります。
ブラキシズムのある方でも、きちんと対策をしていればインプラント治療を受けることは可能です。これらの対応を行うことで、インプラントだけでなくご自身の歯や顎関節を守ることにも繋がります。