治療の失敗につながりかねない局所的リスクファクター

インプラントは「第二の永久歯」と呼ばれるほど、半永久的に使い続けられる治療法です。ただし、問題が起こらなければ、という注釈が付きます。より良いインプラント治療の結果を得るためには、信頼できる医院選びとともに患者様ご自身が抱えるリスクファクター(危険因子)を取り除くことが大切です。
次にご紹介する局所的リスクファクター4つを、インプラント手術前に治療・改善していきましょう。
リスク 1歯周病や虫歯

インプラントは天然歯に比べて細菌に弱く、虫歯や歯周病がある状態で手術を行うと、骨結合が妨げられたり、インプラント周囲炎を引き起こしたりする恐れがあります。この「インプラント周囲炎」は、インプラント周囲の組織が歯周病菌に感染することで起こり、歯肉の腫れや骨吸収などの症状が見られます。
結合した骨が吸収されてしまうと、歯肉退縮が起きてインプラントが露出したり、埋入したインプラントを支えられなくなって抜け落ちたりするリスクがあります。インプラント治療を始める前に、しっかりと虫歯や歯周病の治療を行い、清潔な口腔環境を用意しておくことが大切です。
リスク 2悪い噛み合わせ

歯が抜ける原因のひとつに、悪い噛み合わせがあります。一部の歯に大きな負担がかかってしまい、破折してしまうことがあるのです。噛み合わせは普段の姿勢のほか、口腔悪習癖(舌癖など)やブラキシズム(食いしばりなど)といったパラファンクションによって変化してしまいます。
噛み合わせが悪いままだと、せっかく初期固定を得られても人工歯を装着した後にインプラントへ負荷がかかり、グラグラしてしまう恐れがあります。当院では、インプラント治療の際に噛み合わせ治療も並行して行い、失敗リスクをできる限り排除しています。
リスク 3骨量と骨質

インプラントは顎骨に直接埋入するため、埋め入れる場所の顎骨の高さや厚み、密度が求められます。特に審美性が求められる前歯部分の顎骨は薄く、骨吸収が起こるとインプラントの露出が起こりやすいという特徴があります。
骨量や骨質が不十分だった場合、インプラント治療を行ってしまうと初期固定が上手く得られず安静期間が長引いたり、骨結合が正常に起こらないことがあります。事前のレントゲン・CTスキャン撮影で、骨量や骨質に問題があると診断できる際は、骨を増やす骨造成をご提案いたします。
リスク 4顔貌の特徴

前歯のインプラントは高い審美性が求められます。唇を後ろから支えるリップサポートが不十分な場合、口元にシワが寄るため老けたように見えてしまいます。また、歯茎が見えるほど笑った時の唇の位置(スマイルライン)が高い方は、インプラントが露出しやすくなります。
これらのリスクを回避するには、精密検査をじゅうぶんに行い、慎重に治療計画を立てなくてはいけません。当院では、お顔の特徴を考慮し、唇の形や動き、笑った時の唇の位置(スマイルライン)が自然で美しく見えるような計画を立案します。
インプラント治療には患者様の協力が不可欠です
インプラント治療は、条件をクリアしていれば成功率の高い治療です。しかし、リスクファクターがあると治療中や治療後にトラブルが起こる可能性が高くなってしまい、治療失敗のもととなってしまいます。 治療を成功させ、将来に渡ってインプラントを使い続けるには、治療環境の整備、知識・技術の研鑽とともに、患者様のご協力が必要不可欠です。